H.R. McMaster
https://gyazo.com/051024937685678fcff9cea3a655f620
軍歴と実績
陸軍士官学校(ウェストポイント)卒業後、34年間軍務に従事。
湾岸戦争の「73イースティングの戦い」で有名になった装甲騎兵中隊長。
イラク戦争・アフガニスタン戦争における反乱鎮圧戦(COIN: Counterinsurgency)の実地指導者。
軍内では「反骨の将軍(The Iconoclast General)」と呼ばれ、上層部に忖度せず理論的批判を行う姿勢で知られる。
学者としての側面
米国ノースカロライナ大学で歴史学博士号を取得。
著書『Dereliction of Duty(責任放棄)』は、ベトナム戦争の戦略失敗を軍指導部と政権の忖度構造の中に見出し、厳しく批判。
軍の教育現場(ウェストポイントなど)でも軍事史を教授。
政治との関わり
トランプ政権の国家安全保障補佐官に就任(2017〜2018)。
大統領の政策に忖度せず、専門家として合理的判断を重視したが、それが原因で政権内と軋轢が生じ辞任。
辞任後はスタンフォード大学のフーバー研究所で研究活動・教育・ポッドキャスト活動を継続中。
思想と戦略観
1. 「軍人は政治家に盲従すべきではない」
『Dereliction of Duty』では、ベトナム戦争における軍上層部が大統領(ジョンソン)や国防長官(マクナマラ)に意見せず盲従したことを痛烈に批判。
民主主義国家の軍人には戦略的専門知と倫理的責任に基づいた進言義務があるとする。
2. 反乱鎮圧(COIN)理論の実践者
「タル・アファル作戦」では市民との信頼構築(夜も町に駐留)を通じて、情報提供→テロ鎮圧というモデルを実践。
一時的な軍事制圧よりも、政治・社会の安定を重視。
著書『Battlegrounds』では、中国・ロシア・イラン・北朝鮮などの権威主義体制をアメリカと自由主義秩序への挑戦と位置づけ。
パワー・バキューム(力の空白)を放置すれば、専制国家が影響力を拡大するとの危機意識を持つ。
4. トランプ政権への批判
回顧録『At War with Ourselves』では、トランプを「お世辞に弱く、権威主義的指導者に騙されやすい」とし、国家戦略に対する理解と忍耐力の欠如を批判。
特に、アフガニスタン和平協議からの政府排除や、ロシア・中国への対応を問題視。
基素.iconアメリカの自由秩序だから最近の共和党の姿勢とは違うな
GPT-4o.iconH.R.マクマスターの思想は、伝統的な保守主義(特に国際主義的なリアリズム)に立脚しており、最近の共和党(特にトランプ派)の「孤立主義的ポピュリズム」とは明確に異なります。
彼のスタンスをわかりやすく整理すると:
アメリカの「責任ある覇権(Responsible Hegemony)」を肯定
米国が国際社会の秩序を維持する役割を担うべきだという考え。
国際機関、多国間枠組み、同盟国との協調を重視(NATO、日本、韓国など)。
権威主義体制への対抗意識が強い
中国・ロシア・イラン・北朝鮮に対しては警戒的・強硬姿勢。
「力の空白を放置すると悪意ある国家が覇権を握る」というリアリズム的な脅威認識。
象徴的エピソード
マクマスターはロシアの選挙介入を「incontrovertible(論争の余地がない)」と断言。
一方、トランプは「ロシアの関与はフェイク」と主張。